真っ茶色のあおい海

海が好きすぎて辛い。

今日は、海へのおもいがぎゅーっと積もって、わーっとなった1日。きっかけは昨日の大雨でした。

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去年はいつにも増して、海へ、サンゴ礁へと気持を注ぐ時間が多かった。サンゴを植え、木を植え、沢山の人々に海の現状を伝えてきた。
海のことを教えてきた中学生たちが、大学生、高校生になり、夏はうちに泊り込んでサンゴの調査をしてくれた。いつものスタッフやパートナーと皆で海に出掛けた。みんなに本当に感謝しています。

今目の前の現状を変えるのは私たち大人の世代であって、こどもたちに未来を託すことはしたくない。すぐにでも変えたい。そう思ったらいつも行動し続けてきた。例えば植樹やサンゴ移植。それぞれが5年、30年、100年の目標を掲げている。それだけの年数続けたとし何が変るのかと言われると、やってみなければ解らないし長期目標に至ってはその頃は生きていない。何が正しいのか、ゴールはどこなのかいつも自問自答して「サンゴが増えること」を目指しつつ、そこへのアプローチの描き方で誰を笑顔にしたいかも考えてきた。

昨日の大雨はすごかった。発達した低気圧が島を縦断し、轟音と共に道が川になり、島が海へと流れ出した。その結果が下の写真だ。一枚は昨年の秋の台風明けの一枚。茶色く濁ったのが今朝の写真。浜沿いは濁った泥水でヘドロの匂いがビーチに充満していた。

海をきれいにとか、海を大切にとか、いろんな言葉を聞くけれど。僕は何ができているのだろう。こういう光景はショッキングで、無力さを感じる。海の上に住んでいるのに目の前の現状を何も変えられない。まだまだ技術も知識も資金も足りない。もっと沢山売上げてこの現状を変えることに投資していきたいのに。子どもたちへの教育もやりたいが、未来を変えるにはそれで足りるのか。現場を直近で改善するにはどううすれば良いのか。最近、涙腺が緩い。

この写真を撮った後、そんなことをかんがえながらうつむいてフラフラと歩いた。ふと顔を上げるとお店の前に常連さんが立っていて、コーヒーとお菓子をお土産に下さった。

「この低気圧はすごいね。僕はこれと一緒に帰るんだ」と笑うお客さまは40年近く石垣島に通う大先輩。私の大好きな飲食店の元のオーナーさんだったこともある。「僕なんかいいけどさ、観光客の人かわいそうだよね」と優しい笑顔が耐えない。「そういえば、はじめて海や自然に興味を持ったのは小学校の臨海学校だった。内房に行ったよ。アメフラシとか捕まえてムラサキにして。でも、大学は天文学だったけどね」。伝えるとか見せるとかそれだけでいいのか、なんてわずか数分前に海を見ながら考えていた感情が、緩やかに崩れていく。

眩しい。太陽の光が差込んできた。「嬉しいね。晴れると」「1週間ぶりに見る陽の光です」「そうか」最近、めっきりコーヒーを飲まなくなってしまったが、今日はいただいたコーヒーを飲みながら書き仕事でもしようと思った(結局飲む暇も無かったのだが)。ブレインストーミングしたりポジティブにものごとを考えたい!(と思いつつ事務仕事とミーティングで一日終ってしまった)。

うまくいかないことも多いけど、海は満ち、太陽も月も時を刻む。動き続るんだ。いろんなことに悩む時間の全てを、海のことに費やして生きたいと思った。さ、ホタルツアーの時間だ!

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