あきらから「ミントがウミガメを見つけた」と連絡を受けたので、早速車を走らせました。
ねぇねぇ、それ僕が見つけたんだよ。食べちゃいけないの?僕、お腹空いたよ。(きっとミントはそんなふうに思っているはずです。)
私、石垣島に引っ越して来る前は、NPO法人日本ウミガメ協議会に所属しておりました。有り難いことに、最近はその活動がメディアに登場するようになりました。手のない悠ちゃんの話、耳にしたことがある方も多いかもしれません。サメに襲われて前ヒレの約半分がなく、健常個体に比べて泳ぐ力が約6割しかないアカウミガメです。悠ちゃんに人工ヒレを装着し、海に返そうと試行錯誤しております。
また、NHK朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」では、ウミガメ協議会付属の黒島研究所が登場しております。(我が家、テレビが映らないので明細は知りません。見たいよ?涙涙。)悠ちゃん&ウェルかめで、今年はまさにウミガメ年!ウミガメについて興味を持って下さる方が、どんどん増えてくれるととても嬉しいですね。写真は、あきらと7月に見に行ったアオウミガメの産卵。
そんなウミガメ協議会のメイン活動の1つ、ウミガメ会議が11月27日?29日に宮崎で開催されます。1990年の設立から、今年で20回目になります。会誌には、その年の産卵状況、死体漂着状況などが詳しく掲載されます。それらの数字は、日本各地の浜にお住まいのボランティアさん、あるいは偶然ウミガメに遭遇した方からの情報で成り立っています。死体については、年間500?600頭もの連絡を頂きます。死因を突き止めるのは、なかなか難しいことです。天敵に襲われたり、寿命で死んでしまうものもいるでしょう。しかし、人間の行動が原因の場合も多々あるようです。漁師さんの網に謝ってかかり呼吸が出来なくなったり(ウミガメは肺呼吸です)、ゴミとなった釣り針にひっかかって身動きが出来なくなったり、船のエンジンにヒレが絡まって傷を負ったり、大型船にぶつかって打撲したり、色々なことが考えられます。これは海に関わる人だけの問題ではなく、人類みんなの問題だと思っています。日本近海で回遊しているアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイは、いずれも環境省のRDBで絶滅危惧種に指定されていますが、太古から生きているウミガメがもしこのまま絶滅するようなことがあれば、人間だってこの地球に心地よく生きていくことはできないのです。
今回ミントが見つけてくれたのは、アオウミガメでした。あきらとじゅんで、そっと砂を掘っていきます。
ツ黴?
ツ黴?
ツ黴?
ツ黴?
まだ成熟しておらず、若いアオウミガメです。頭、四肢ともにあり、腐敗臭もそれほどきつくありません。漂着して間のないように感じました。周囲を石で囲まれていたのが気になりました。元々石の多い海岸なので自然の状態なのかもしれませんが、もしかしたら、どなたかが埋葬して下さった後だったのかもしれません。
メジャーで計測した甲長は528mm、甲幅は494mmでした。ヒレを見て標識(個体識別をしている番号のついたタグ)がないのを確認し、そのまま同じところに埋葬しました。
今回のように、ウミガメの漂着死体を発見された場合は、ぜひご協力をお願いします。たった1つの情報も、集まると貴重なデータになります。お願いしたいのは、1.写真撮影(携帯でもカメラでもOKです。写真を見れば、多くのことがわかることがあります。)、2.もし何か計測できるものをお持ちなら、甲長(甲羅の一番長い部分)の計測、3.ヒレに標識がついているかいないかの確認、以上3点です。もちろん、日付や場所だけでも構いません。日本ウミガメ協議会に連絡下さると有り難いです。また漂着死体以外にも、産卵しているメスを見た、ダイビング中に遭遇したなど、ウミガメに関することでしたら何でも構いません。連絡は、電話、メール、ファックスにて受け付けております。お礼としてささやかではありますが、後ほどウミガメグッズをお送りしております。詳しくは下記まで。
NPO法人 日本ウミガメ協議会
TEL:072?864?0335