石垣島の車の維持管理
この島では他と違って 石垣島の車の維持管理 をしないと、長く車を乗り続けることができません。その理由はサンゴ礁があるから。波がサンゴ礁に叩きつけられると、目に見えない海水の粒子が空気中に舞い上がり、遠くの陸上まで到達して車をびっしり覆ってしまうのです。特に島の北部はそれが顕著(最近は黄砂やPM2.5でも真っ白くなることがあります)。
定期的な水洗いの重要性
ですから、洗車とまではいかなくとも、定期的な水洗いは必須。そうしないと穴だらけの車になってしまうのです。20年前なんてそういう車がいっぱい走っていた印象があります。
地元整備士との出会い
先日、友人から整備士さんを紹介してもらったので車を見てもらいました。私は車好きというのもあって、車検整備には、単に機械を修理すること以上の意味があると思っています。以前の整備士さんもしっかりやってくれはするものの、完全な職人気質で、コミュニケーションが取れずに車のことを質問ができないし、その修理が何を意味するのかも、全く教えてくれなくてとても困っていました。
整備士から学ぶ環境保護
ですが、今回の整備士さんは一転、お話好きな上に「地元整備士の知恵」が豊富な方でした。「この島じゃ頻繁な洗車は当たり前だけど、島にあった整備が必要なんだよ。例えば全てのネジにグリスをつけたり。普通はやらないけど、俺はやる」ネジがサビて外れなくなったら、島の普通の整備工場だと、大きなパーツごと交換するんです。お金も大きくかかる。でもそうしないで済むように普段の整備に細かく手をかける。「だから時間もかかる」ちょっと苦笑いしながらだけど、でもそれが自分の仕事、生き方なんだと、しっかり伝わってきました。
他にも、車産業全般や、それに関する法整備についてまで多角的な視点から物事を見ています。その鋭い議論は、私が長年関わってきた環境保護や、特にサンゴ礁保護の問題とも深く通じるものです。昨日もついつい話し込んで1時間以上が経っていました。ここまで話し込めるのも気が合うからなんでしょうね。紹介してくれた人も「そんなに仲良くなったの?」とちょっと引き笑いするほどです。
サビ対策と安全性の重視
その中で、サビに関する印象的な教えを得ました。
「ホースなんていつ穴が空いてもおかしくないと思って乗る。万が一の時には自分の運転技術とサイドブレーキだけで安全に車を停められるようにする。そう思って乗るんだよ」
こんな風に言ってくださる整備士さん、なかなかいませんよね。乗り手の安全を思えばこそ、本当に大切なことだと思います。実は私もその経験があるので余計に心に響きました。
環境への影響を考え
車の安全性や環境への影響について考えるとき、私たちはその直接的な影響に目を向けがちです。ですが、この整備士さんとお話していると、車が持つさまざまな側面、特に前述の潮風を考えた車の乗り方、維持の仕方、そしてゴミをなるべく出さないようにする修理技術や、安ものを使い捨てず、高いお金がかかっても修理して「ホンモノ」を使い続けることの重要性を教えてくれました。
SDGsと島の修理工場
「SDGsとか色々言うけど、小さな整備工場がそこにどう向き合うか」という60代の整備士さんの言葉は、私にも大きな気付きを下さいました。何となく「知っていたようなつもりでいたが、全然深く考えていなかった」話題も多く、目から鱗の連発だったし。思わず「メモしていいですか?」「おぅ良いよ!」なんて言ってくださって。
環境保護の取り組みは、単一の分野に限られるものではなく、さまざまな産業が相互に連携し、影響し合いながら進められるべき。その音頭をとるのは誰?今の石垣市にできるのかな。都会も勿論ですが、島嶼地域に済む私たちにとって、このような視点は特に重要です。
整備工場って、ただ車を修理するだけの場ではなく、地元整備士の知恵 を通じて、私たちの日常と直結しているからこそ、地球環境とのつながりもいっぱいあるんだなと改めて認識することができました。
自分の生活様式、価値観さえ見直す機会にもなったし、これからも、この整備士さんに車も心も預けて、整備をお願いしようと思います。
こんな風に、環境保護の取り組みは、全く想像もしていなかったところに、新たな視点や解決策があることが結構多いです。やはり日々色々な人と出会い、深く対話し、教えを請うことって、なんだか楽しいなぁと改めて思う一日でした。この出会いがまだ見ぬ「環境保護と車の関係」の一旦につながりますように。