ガイドあきら
りんぱなは、エコツーリズムを通してサンゴ礁を豊かにします。
私たちを包込む海
私たちは海が大好きです。特に好きな場所が、サンゴたちがいる海。好きな理由を一言で言うなら「水着1枚で1日中、ずっと遊び続けられるから」そして、サンゴは私たち人ととても深い関係にいる生きものだから…。
私たちの仕事は、観光で石垣島を訪れる方を美しい島の自然へとご案内すること。SUPやカヌーでサンゴ礁に出掛けたり、船でマンタスポットに出掛けたり。夜の森にホタルを見に行ったり。石垣島は自然の魅力で溢れています。
石垣島の海には特別な魅力があるんです。外洋にはマンタやイルカ、クジラたちの気配を感じるし、浅瀬は漁やレジャーの人がいつもいて。どこを見ても絵はがきのように美しい。その全てが、サンゴ礁に関係しています。
私たちの「サンゴを守る取組み」をお話しする前に、この島とサンゴの関わりを少しお話しします。
サンゴに守られた島
石垣島は、サンゴに守られている島です。沖合にサンゴがいるから、砂浜や岸まで高波が入ってくることがありません。特に台風の時などは、リーフ(サンゴたち)に守られていることを実感します。
「あんなに遠い所で波が立つ光景、最初は慣れなかったですね」と話すのは、三浦半島で生れ育ったスタッフのつよし。「波は大きく手前でくだけるもの」と房総に故郷をもつなおも大きくうなずいていました。
2018年9月末、台風24号の影響を受ける事務所下の海。6mの高波は、岸から600m離れたリーフ(外洋と内湾との境=白波の場所)で消波され、1m程の波となってビーチに打寄せる。もう一枚は、スタッフなおの故郷、千葉県外房の海岸。外洋のうねりがダイレクトに砂浜に打寄せる。
こうした自然はもちろんですが、石垣島では街中を歩くと、そこかしこにサンゴの気配があります。
サンゴは、東京湾をはじめ、静岡、和歌山、高知、大分、愛媛、鹿児島と、沖縄だけでなく西日本のあちこちで見られる生きものですが、石垣島ほどサンゴが人々の生活に溶け込んでいる場所は、他に有りません。
サンゴとは
沖縄に住む人たちにとって、サンゴ無くてはならないものでした。昔ながらの沖縄古民家は、畑の土を練って作った赤瓦を漆喰(しっくい)で固定していました。写真の黒っぽい筋が漆喰で、実はサンゴからできています。
家の柱を支える束石(つかいし)にはキクメイシというサンゴを使い、家の周囲を囲う石垣はサンゴやサンゴからできた石灰岩を使います。
現在でも、アスファルト道路の下に敷く路盤材は、サンゴ石灰岩からできた「コーラル」が主流ですし、家庭や学校、幼稚園でも箸置やアクセサリー作りなどに使われています。
こうして、家の土台や道路にも使われているサンゴ、実は動物なんです。
サンゴは海を豊かにする動物
サンゴがいると、海も人も、豊かになります。その理由は「沢山の命を育む生きもの」だから。詳しくは、別の機会にお話しします。
ですが、最近はサンゴがどんどん減ってきていて、2050年には絶滅するかもしれないとまで言われています。
サンゴが絶滅するとどうなる?
サンゴが無くなると、どんなことが起きるでしょう。
・シュノーケルしてもキレイじゃない。
それだけでしょうか?実際はかなり深刻です。
海からサンゴが消えると、海の生きものの1/4も消えると言われています(サンゴたちはそれだけの生きものを養う存在なのです)。
その結果、
- 地元の漁業は勿論、世界経済にも大きな影響が出ます(産業)
- 外洋の高波が以前よりも強く入ってくるようになります(人の暮し、安全)
- 藻類が繁殖して水環境が悪化します(生活環境の悪化)
そして、美しいものを美しいと感じられる心もひとつ、人から消えてしまうのです…。
私たちは「サンゴに対して、自分たちは何ができるのか」を考え、いくつかの行動を始めました。
続きは、私たちの3つの取組みをご紹介