昨日の夜から急に風が変わり、昨日までの天気と打って変わって今日は寒い一日でした。
りんぱなのお店がある、米原集落では、早朝から強い雨が降って窓ガラスが結露し、
布団が暖かく感じるほど(ガイドのあきらは暑がりなので、窓を開けて夏がけで寝てましたw)。
今日はいつもより光り出すのが かなり遅い時間でした。
なかなか光り出さないので、フクロウを呼んだり(カメラがホタル用なので撮れなかった…)
植物を見たりしてホタルの出をまちました。
しばらくすると、奥の方で一匹。また一匹と光だし、
皆さんの「あぁ!光った!」って嬉しそうな声も聞こえます。
でも、数が少ない。いつものような乱舞が、ない。
いつもブログで数百匹の〜と書いているし、実際に見てるけど、
こんなにも少ない日もあるのかってくらい。
飛び方もいつもと違います。
なんだか、本当に申し訳ない気持ちになりました。
私もかなり落ち込みました。
気温は気象庁では20度前後。
風は北〜北東で強く吹き続けていて、
「ココじゃないとホタルは見れない」って場所で見ました。
「こんなに小さいんじゃ、風にトバされちゃうな」
と今日のお客さまも、大きさを見て驚いていましたが、
日本で一番小さいホタルなので、風がふくとだめなんです。
このホタル、場所選びにすごく気を遣います。
ヤエヤマボタルのメスが光っていた
そろそろ帰りましょうか、と話をして数歩歩くと、
不思議なホタルの光が目に入ってきました。
オスとはどうにも違う。メス?(メスは光り方がちがいます)
そっと赤いライトで照らしてみると、メスでした。
このヤエヤマボタルのメスは私も1シーズン(1年)で2〜3匹しか見ることはありません。
居る場所がオスとは違うのと、ガイドをしていてメスを探せないのです。
そんなレアなメスがここに、いる!
メスを手にとって、オスの光を探したりしながら皆さんにお見せしましたが、
残念ながらオスはこない。交尾の瞬間、お見せしたかった。
これもまた、ほんとに、神秘的。私も去年見た交尾の瞬間、いまだ忘れられません。
今日はホタルの数が少なかったですが、メスも見つけられて面白いツアーになりました。
皆さんと過ごせた時間、思い出に残る時間でした。
ありがとうございました!
また遊びにきてくださいね〜
(あきら)
ヤエヤマボタルのメスについて
このホタルは、光りながら飛んでいるのはオスです。メスは羽が退化していて飛べないで地面にいます。アグレッシブに動き回るメスも見たことがありますが、だいたいは地面でじっとしています。オスはメスのフェロモンの匂いに引きつけられて墜落するようにメスの近くに落ちる、と本やネットには掲載されていますが、私は違うと思っています。昨年、2ペアのオスメスを飼育し、産卵も確認しましたが(孵化にはいたらず)、今まで私が本などを通じて得た情報とは違う交尾〜産卵行動でした。
このホタルの幼虫は、まだ誰も見た事がないそうです。私もまだ探していません。以前ホタルの研究をしていて、今は環境調査会社で働いている方にも、昨年の飼育試験の時にお話を伺いましたが、その時も仮説の話で終わってしまいました。
先日研究者の方とお会いした時にもこの話題になり、幼虫が食べている餌についても話題では、昨年のその仮説も変わろうとしています。誰も手をつけていない研究で、誰も知らない事実、調べていくことはとても面白いです。
このホタルの卵は、写真に撮ることができないほど、小さい。うちの設備では無理でした。今、私の手元にメスがいて、お腹に卵がはいっていると思います。成虫の大きさは、以前カエルの研究をお手伝いした時に研究者の大西さんから譲り受けたデジタルノギスを使ってはかりますが、ミリよりも小さな単位を測定するマイクロメーターでなければ卵の大きさは測れません(高校を卒業するときに、生物の先生が「これもってけ。何かに使うだろ」って測定器をくれたんです。10年以上たって、やっと使う機会に恵まれています。w先生ありがとー!)。やりたいけど、時間が足りない…。誰か一緒に研究しませんか?やりたいこといっぱいあるけど、1人だと…。
私はこのメスを連れて帰ってきました。ホタルを捕まえてはいけない、と言う人もいます。基本的にエコツアーなどでは生き物を捕まえないようにしています。でも、それでは守ることができません。ちゃんと、本当に守ろうとするならば、もっともっと相手の事を知らなければならないと思うのです。100年後、200年後も、この場所にこのホタルがいてくれるようにするための、ベースとなる資料を残しておきたいと思います。もちろん、このメスにもストレスがかからないように、かなり気を遣って調べるつもりだし、野外にも早めに逃がそうと思います。
ここで調べたことは、ツアーでいつも皆さんに好評なあの感じで(ホタルの合コンとか、ちょっとチャラい感じですみませんが)解りやすくお伝えしていくつもりです。
早速明日から、このホタルについて調べることがいくつもあります。ガイドツアーの中でしか出来ないので、なかなか先に進みませんが、ホタルファンの皆さん、お楽しみに!
あきら