本当のきれいさとは何だろう。海の透明度を調べる市民活動

石垣島や西表島は、日本で南国の風景が味わえる亜熱帯の島々。大昔から人々はこの地方を「八重山(やえやま)」と呼び、生活のために船で行き来をしていました。島の周囲にはサンゴ礁が広がり、魚やカニ、貝などの海の恵みはいつでも頂けたと言われます。

ですが最近は「魚が獲れない」「昔はいっぱい泳いでいたけどな」と、島の古老たちが口を揃えて言うようになりました。私も、10年前と比べてタコやカニが少ないことに不安を感じています。生きものが減った1番の理由は、サンゴが減ってきたから。命あふれる八重山の海はもう見られないのでしょうか?

近年、観光面では「日本一きれいな海」とも言われる八重山の海。しかし「海のきれいさ」とは一体何でしょう。見た目の色合い? 海に住む魚たちの色? いろいろな指標がありますが、私たちは海の「透明度(水がどのくらい透き通っているか)」に着目しました。

サンゴは、濁りの無い透明な海であれば元気に育つので、透明度を測ればサンゴが住みやすい環境かを知ることができます。温暖な海では様々な命をサンゴがつないでるので、サンゴが住みよい環境を取り戻せば、以前のように沢山の生きものが帰ってくるはずです。

「水平の透明度が14m以上であれば、サンゴにとって住みやすい環境」というひとつの指標があります(金城ら 2011)。私たちは、それを元に、石垣島や小浜島、新城島のビーチで透明度を測りました。

2014年2月の調査結果

この日は石垣島と小浜島の22のビーチで、一斉に水平透明度を測定しました。サンゴが住みやすい「14m以上の透明度」の場所は、22地点のうち何カ所あったでしょう。

薄い青色のアイコンが14m以上の場所ですが、この日はわずか4カ所しか見つけられませんでした。

その他の調査結果はこちらでご覧頂けます。

沖縄の海はきれいだと言うけれど、わずか2m先が見えない濁った場所も多くあることが、この調査を通してわかってきました。

私たちはこの調査を通して、島に暮らす方々に海の現状をご覧頂くきっかけになればと考えています。そして、家のすぐ近くの海に、昔のように沢山の生きものたちが帰ってくることを願ってやみません。

この海のきれいさ(透明度)調査は水深の浅いビーチで行うため、シュノーケルができる方なら小学生でも参加することができます。年数回開催しますので興味がある方はご連絡ください。一緒に身近な海を調べてみませんか?

連絡先:海のきれいさ調査隊 事務局(りんぱな内)担当 内藤あきら ☎ 090-8126-3209

(使用機材や、調査方法は東京工業大学 灘岡研究室より、ご支援を頂いております)

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