久しぶりのイグアナ捕獲。石垣島の外来種問題の取材に同行しました。

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ここ数日、東京のテレビ局のお手伝いをしています。

今回はとっても真面目な番組さんで、グリーンイグアナやキジ、クジャクなど「人間によって持ち込まれた、本来ここには居ない生き物(外来生物)が、この島にどのような影響を与えているのかを本州にお住まいの方々に伝える、というコンセプトで島内あちこちで取材されていました。私は以前、イグアナの捕獲の仕事をしていたので、今回は現場での捕獲もお手伝いしました。

「イグアナが『いるそうです』ってだけじゃ、伝わらないので、イグアナがいる様子も写して『こんな事がおきてるって、ちゃんと伝えたい』」という、ディレクターさんの熱い思い、嬉しかったです。

イグアナ捕獲

石垣島のグリーンイグアナは今が産卵の時期

今日はイグアナが産卵に来る様子を撮影しようと、撮影班と私は別々な場所で待機します。私は A地点の藪の中に寝っ転がって双眼鏡で遠〜くの産卵地点を見ているました。すると「B地点に来ました!」と電話が。すぐさま走ってB地点へ。

B地点は、今回特にマークしていたイグアナの産卵場所なんです。来る可能性が高いので、カメラチームごとそこに待機していてもらったのです。しばらく見ていると、いました。
イグアナは、砂地に穴を掘って産卵のための場所を作ります。何回かにわけて穴を掘るようですが、今日もそのための穴掘りに来たのでしょう(場所の特定につながりそうなので産卵地点の写真は未掲載とします)

しかし凄い警戒心。何度も何度も頭を出して周囲の様子をうかがいます。穴を掘ってる時間よりも、頭を出して周囲を確認する時間の方が長い…。凄い警戒心です。

この写真は今回捕獲したイグアナですが、写真右上の腹部がぽこぽこと膨らんでいるのがわかります。私も抱卵個体を見るのは初めてなので確証がもてなかったんですが、このポコポコは、卵だそうです。1mの個体(1mでも小さい方です)でしたが、もう繁殖ができることに驚きました。

グリーンイグアナの雌。雌雄判別はももの裏で行う。足に近い腹部が膨らんでいる様子が見られるが、これは中に卵があるとのこと。

このイグアナは、正しくはグリーンイグアナと言います。

和名:グリーンイグアナ(イグアナ科イグアナ属)
学名:Iguana iguana 

本来は南米〜西インド諸島に広く生息している生き物で、元々石垣島にはいない生き物なのです。国内では、外来生物法特定外来生物指定されていて、生態系の攪乱を引き起こす可能性が指摘されています。現在、石垣島の一部区域にて、100匹以上の野生のイグアナが確認されています。

ペット愛好家の方からは「危険ないきものではない!」という声もききますが、それはペットの話であって、このように野外で繁殖をし、野生化している生き物は野犬同様に、危ないケースもあります。詳しくは過去の記事をご覧下さい。 リンク<グリーンイグアナをつかまえに

今回の取材のさなかにも「イグアナがいると怖い」という現地の方の声が環境省に届きました。
環境省那覇自然環境事務所(石垣自然保護官事務所)ではイグアナの対策事業をしているのですが、捕獲方法がまだ確立されておらず、今回もみんなで悩む場面がありました。私も捕獲作業を現場で担当していた身として、その気持ちが痛い程よくわかります。捕まえるの、、本当に大変なんです!

環境省の対策事業では、昨年の捕獲数は4匹。〜3ヶ月間ほどやりますが、4匹。私がやった時も5匹くらいしか捕まらなかった覚えがあります。

普通は、一般の人はイグアナを捕まえたりする事はできないと思いますが、私は以前仕事でやっていたので、今回は捕獲を試み、何と、、、捕まりました。

その様子はばっちりカメラが押さえているので、おそらく番組で放映されるでしょう。大の大人二人がイグアナを追いかけて全力疾走している画。これを見て頂ければ、イグアナを捕まえるのが如何に大変か、ご理解いただけるのではないかと思います。今回は、本当にたまたま、イグアナが障害物を前に動けなくなったところを捕獲できたんですが、なかなかこんなに運良く捕まえられることはありません。

捕まえると、不思議と「英雄扱い」のようになってしまいがちですが、私はこれが嫌いです。生き物を捕まえ、殺すわけじゃないですか。人間が「英雄」で、イグアナは「悪者」という構図になります。でも本当は逆ですよね。野外に放逐した人間が「悪者」で、イグアナは「犠牲者」なわけです。

では何故、捕まえるか。

本来この島に居ない生き物だからです。この生き物がいるために様々な問題が起こりうる可能性があります。詳しくは上にもリンクを張ったグリーンイグアナをつかまえにの記事をご覧下さい。一番下で解説しています。

私も、好きで捕獲しているんじゃないんです。
イグアナをしばっている時も、カメラも回ってますし嫌な顔していられないので、多少の笑顔でいましたが、内心ごめんねって ずっと思ってるし、拘束も必要最小限の力でしています。拘束しないと危ないんです。怪我したくないので(ちなみに私はサンダル履きですが拘束後に履き替えてます)。

グリーンイグアナ

本当は、持ち込まない。離さない。死ぬまで飼う。
これが「人間の責任」です。

でも、逃げてしまったものは仕方有りません。

捕獲して処分するのも「人間の責任」です。
一番かわいそうなのは、イグアナです。

そんな私たちの思いが、少しでも沢山の方に広まり、
今後このような事例が増えていかないことを、心より願っています。

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