石垣島ホタル、失敗しない場所選びの決定版

石垣島の主要ホタルスポット(バンナ・於茂登・前勢岳・野底)と当社専用フィールドの位置関係図

石垣島にはいくつかホタルの名所がありますが、「地図上の近さ」や「知名度」だけで選ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。

ヤエヤマヒメボタルは、「光(車のライトや懐中電灯)」と「風」に非常に敏感な生きものです。 同じ日、同じ時間帯でも、場所が違うだけで見え方は大きく変わります。その差を生むのは「暗闇が保たれているか」「風が遮られているか」「人や車の光が入らないか」という、環境条件の違いです。

この記事では、代表的なスポットの実情と、私たちが15年かけて整備した「専用フィールド」の違いを、現地ガイドの視点で正直にお伝えします。

石垣島・於茂登岳林道の混雑状況。路肩駐車やライトの光がホタルの生息に影響を与えています

写真: 於茂登岳登山口には何台もの車が溢れかえる

於茂登岳:登山と夜道に慣れた「上級者向け」スポット

沖縄県最高峰の於茂登岳(おもとだけ)。林道沿いでホタルが見られますが、現在は島中のツアーガイドが最も多く集まる場所であり、地元の人々も車で大集結するエリアです。

数十人から100人規模の集団が一本道の、そこかしこで見られ、常に大混雑しています。「観光客が自分たちだけで気軽に行く場所」としてはハードルが非常に高いのが実情です。

駐車場の問題

正式な駐車場はありません。明るいうちからツアー業者や地元の方、タクシーなど、沢山の車で路肩の奪い合いになります。停められなければ、暗闇の細い山道を延々と走るか、難しいバックやUターンを強いられます。上記の写真は空いている日のもの。

光害とホタルの減少

ホタルを見るための道(林道)を、車が頻繁に通ります。 ヘッドライトの明かりが眩しく、また見ている人も足元を照らさざるを得ないため、そのたびにホタルは森の奥へ逃げてしまいます。鑑賞者も眩しい思いをしますし、この「光害(ひかりがい)」により、以前よりもホタルの数や、ホタルが”光る時間” が減っていることも懸念点です。

慣れた方は、ホタルスポットにヘッドライトが向かないよう配慮して駐車しますが(上の写真)、残念ながら車のテールライトの明かりがホタルスポットに届いてしまい、写真にもくっきりと赤い光が写り込むことがあります。

車のテールランプによる光害(ひかりがい)の影響。強い光はホタルの求愛行動を阻害します

写真: 車のテールランプに照らされるヤエヤマヒメボタル

足元の不安

林道の両脇には、蓋のない側溝や排水用の段差があり、場所によってはガードレールと崖が連続します。 ホタルが光っている最中にも車が通るため、小さなお子様連れには転倒や事故のリスクも。そのため、自信を持っておすすめすることはできません。車から離れすぎると道迷いの不安もあるでしょう。

結論: ハブや溝のリスクを管理できる「旅と自然に慣れた大人」向けの場所です。


バンナ公園:知名度は高いが「混雑」と「帰れないリスク」

ガイドブックで必ず紹介される有名スポット。「市街地から近い」のがメリットですが、それゆえの難点があります。

限りある駐車場と、結構な歩行距離

バンナ公園は山をまるごと公園にしているため広大です。A〜Eまでの入口がありますが、ホタル観察道に近いのはDゾーン。他の入口から入ると狭い一本道がずっと続くため夕暮れ時はこわいかも。 駐車場に車を停めたら、ホタル観察道まで徒歩20分ほど歩きます。

安全面の死角

「ホタル街道」の一部は木道ですが、高さ1m以上ある場所に手すりがない区間が多くあります。暗闇で人混みとすれ違う際、転落の危険があり、お子様連れは気が抜けません。階段や上り下りが連続するためご高齢の方にも厳しい道のりです。

「出られない」車の渋滞リスク

シーズン中は大混雑し、「停められない」だけでなく「車が出せない」トラブルが多発します。一本道で渋滞するため、鑑賞後のレストラン予約に間に合わないケースも珍しくありません。

見え方のムラ

人が多い分、懐中電灯やスマホの光が飛び交いやすく、ホタルが散ってしまいがちです。「一番多い」という情報もありますが、『一番多い』という表現は、調査に携わる立場から見ると慎重にならざるを得ません。

結論: アクセス重視なら選択肢に入りますが、「静かに見たい」「子供と安全に見たい」「見終わったらすぐに帰りたい(夕食の予定がある)」方には不向きです。

[ホタルの見え方メモ]

光の見え方は、次の3つの条件で大きく左右されます。

  • 人や車のライトが入りにくいか(光害耐性)
  • 風が抜けにくい地形か(風耐性)
  • 鑑賞者が密集しすぎないか(混雑耐性)

これらの条件を踏まえると、光の密度と没入感は 前勢岳 < バンナ公園 < 野底林道 < 於茂登岳 < 当社専用フィールド の順で安定しやすい傾向があります。


前勢岳:行きやすそうに見えて、実は「高難易度」

天文台がある前勢岳(まえせだけ)。地図上では行きやすそうに見えますが、ホタル観察には厳しい条件が揃っています。

風や光の影響大(当たり外れ)

風が抜けやすい地形のため、少しでも風吹くとホタルが森の奥へ逃げてしまい、道沿いからはほとんど見えなくなります。「当たり外れ」が非常に大きい場所です。

天文台に向かう電線があるため木々が整備され、街の灯りが林道沿いに差し込んでいます。明るくて足元が見やすいという利点はあるものの、暗がりが好きなホタルにとっては悪条件。

交通・運転リスク

S字カーブが続く細い林道を、天文台へ向かう車やタクシーが頻繁に通ります。 道路は一方通行で、道幅は1車線しかありませんから追い越しはできません。ところどころに待避所がありますが、そこには既にタクシーや地元の方が停車しているでしょう。 「細い、真っ暗、逃げ場がない」という夜道です。運転に自信がない場合は、遠慮すべきスポットと言えます。

結論: ホタル観察をメインに考えるなら、運転リスクが高すぎるスポットです。タクシーも多いため、静かな鑑賞は困難です。


※穴場スポット:野底岳について

こちらのページには穴場スポット「野底岳(のそこだけ)」の情報も掲載しています。エリアの中で最も遠い場所にあり、わかりにくい場所のため、このページでの詳細解説は割愛しましたが、興味がある方はご覧ください。 [▷リンク:野底岳エリアのホタル情報 ]

専用フィールドの静寂の中、親子で寄り添いながらホタルの出現を待つ穏やかな時間

写真: ホタルが光りはじめるのを待つツアー参加者

当社専用フィールドとは

整備された「ホタルのための森」という新常識

林道や公園は、あくまで「車や、人が通るための道」です。ホタルのために作られた場所ではないため、どうしても鑑賞には無理が生じます。

一方で、私たちがこの森を整備し始めた動機は、他所の不便さを解消するため、といったビジネス的な理由ではありません。

「ホタルが安心して暮らせる、昔ながらの聖域を残したい」 「あの圧倒的な光景を、私自身がずっと見ていたい」

生きものが大好きなガイドが、その一心で15年かけて環境を整えてきました。 ホタルのために「車を入れない」「風を遮る」「暗闇を守る」。 そのこだわりを徹底した結果、そこは人間にとっても、「最も安全に、最も美しくホタルが見られる場所」になったのです。データが示すホタルの数についてはこちら

1日20名限定の専用フィールドで、静寂の中でホタルを観察するツアー参加者の様子

写真: 当社専用フィールドでホタルの群れの中にいるツアー参加者

1. 「探す」必要がないほどの、ホタルとの距離感

ホタルは「風が淀む場所」「湿度が溜まる場所」に密集します。私たちは、駐車場から徒歩5分の場所に、そうしたホタルが集まりやすい条件を整えました。他所のように数百メートルを探し歩く必要はなく、80mほどの”短い散歩道”にホタルが凝縮しています。

2. 「見られないかも」という不安、ゼロへ

自然相手のため100%を保証することはできませんが、風や光による影響を受けにくい構造に整備しているため、「風で飛んでしまった」「車のライトで逃げてしまった」ということが起こりません。「見えなかった」というリスクを限界まで下げた環境になっています。

3. 暗いからこそ、ホタルが寄ってくる

私たちはツアー中、不必要なライトを一切使いません。それは「暗いほうがホタルが安心し、近づいてくるから」です。 強い光がない環境だと、ホタルの方から人の近くへと寄ってきます。服にとまったり、目の前数センチを飛んだり。「見る」というより「光の中に混ざる」体験ができるのは、この環境だからこそです。

4. 専門ガイドによる「安全」と「解説」

真っ暗な森は、慣れていない方にとって怖い場所でもあります。 私たちのガイドは、単なる道案内ではありません。「暗闇への恐怖心を、知的な好奇心に変えるプロフェッショナル」です。 ハブなどの危険生物についても熟知し、安全を確保した上で、その日のホタルのコンディションや生態についても詳しく解説できます。お子様連れでも、怖がることなく「夜の探検」を楽しんでいただけます。

ガイドの解説に耳を傾け、夜の森の木々や生きものを見上げる知的好奇心にあふれた参加者たち

写真: ホタルが光り出す前、ガイドが見つけたオオコウモリを探す参加者


(H2) お子様連れ・初めての方に選ばれている理由

特徴当ツアー(専用フィールド)於茂登岳・バンナ・前勢岳
ホタルの見え方目の前で乱舞(逃げない)車や人の光で奥へ逃げがち
光の密度視界を埋め尽くす密度広く薄く散らばりやすい
混雑・騒音1日20名限定の静寂混雑・車の往来・話し声
安全性ガイド先導・整備された一本道側溝・手すりなし・ハブのリスク
写真撮影三脚OK・撮影ガイドあり人や車が多く撮影困難

▷ 今年の「光の聖域」への招待状  ホタルツアーの現在の空き状況・ツアー予約はこちら(ページ最下部)

さいごに

「行けば見られる」。そう思われがちなホタルですが、彼らは次の世代に命をつなぐために懸命に光っています。 しかも、ヤエヤマヒメボタルが光るのは、1日のうちわずか40分前後です。

どの場所に行くとしても、ホタルを驚かせないよう、どうか光は最小限に。 ご自身の安全とのトレードオフを見極め、ホタルがこれ以上住みづらくならによう、マナーを守って観察していただけることを願っています。

[▷ リンク:【必読】ヤエヤマヒメボタルを見るために必要な準備とマナー ]