3/23 ホタルが一匹しか光らない。でもまた来たくなるホタルツアー。

今日は、、参りました。

ホタルが1匹しかいなくて。。。ということでナイトツアーに切替えてご案内をしました。

ナイトツアーの様子の前に、ホタルが見られないことについて書いてみます。

ホタルツアーは、ここ数年 98% の遭遇率を維持しています。1シーズンに1〜2回、見られない事があります。

他社さんは100%、というお店もありますが、私のお店とは開催回数が違います。他社さんでは3月末からツアーを開催すろところもあって、うちは今年は2月8日からこのホタルを見ていました。島内の観光案内所では5月いっぱいでホタルツアーを終了するようですが、うちは7月に入ってもホタルを見ていたこともあります。でも過去「ホタルが見られない日」というのはだいたい3月末〜4月中旬にかけての期間。ですからシーズンの始めや終り頃でホタルがいない、というわけではなく、今日のように突然と「ホタルがいない日」がやってくるのです。

気象に関しては予測がつきますから、一昨年は「今日は出ない」と予想してツアーを中止にしたことがあります。一人で見に行ったら案の定、ホタルゼロ。その時は予測がちゃんと当ったのですが。

でも、今回は予測できなかった。

はぁ。。。ガイドとして悔しすぎる。

今までは自分で測った気象データを用いていましたが、今回は少し範囲を広げて気象庁のデータも見てみました。丁度時を同じくしてホタルを愛する物理学の先生がいらしてて!先生が「名古屋だとこんなことが言われています」と教えて下さって、成程!それをヒントにすると確かに、以前 自分で計算したものと同じ数字が見て取れました。今後は見る範囲も広げなきゃ行けない。。

そうだ。事務所の屋上にいろんな観測装置を付けたんだ(サンゴ礁のモニタリング用)。今ネットワークを止めているけど、再開しなくては。カイも待ってることだし。

でも、今夜のお客さま、ホタルが見られなくとも、とっても楽しんでくださっていたようです!

「みんな楽しそうだったよ」と言ってくれたのはアシスタント。

私はガイドとして前に立ってはいるものの「なんでホタル居ないの?!」と頭には疑問が浮ぶばかり。ホタルを調べたいという感性衝動と、ガイドしなくてはならないという形式衝動が入交じり、頭はシラーの遊戯論がよぎって一瞬の現実逃避。ガイドに一生懸命で、お客さまの状況を今ひとつ見れていませんでした。

ふと、昨日メスがいたことに気づきます。

このホタル、飛交うのはオスだけ。メスは地面にじっとしています。今日のようにオスが飛べない日でも、メスは光ることがあって、だからメスのもとに走ると…。いました。

(数年前に事務所で撮影したもの)

上の写真、手前の黒い筋は、小学生の頃に使ってた15㎝定規の、1mm幅です。
ヤエヤマヒメボタルのメスは、頭を丸めると4mmしかないんです。身体をのばすと5.5mm(のびるんですよ)です。それを何とか見つけることができて。

今日のお客さまも、皆さんこのホタルに釘付になって見ていました。
「きれいだねぇ」って。

そうそう、メスをじっくり観察できる日は今年は今日だけかもしれません。メスって本当に見つけにくくて、それを探してるとガイドする暇が無くなります(本当に!)。だからガイドさんでも見た事がない方もいるんですよ。でも今日はそれが見られたので、私はとっても嬉しかったな。メスの光ってオスと比べると明るくてすごくきれいなので、私は大好きなんです。

その後はフクロウの声を楽しんだり、島固有の植物を見たり、そして最後は、たくさんのホタルの幼虫たちに囲まれます。小さな点が光の絨毯みたいで、歩く私たちの目を楽しませます。

種類は違えど、沢山のホタルには出会えました。

私は「ホタルをみせたくて」この仕事をしてるので、お客さまの笑顔が無いと「あぁ、ホタルが見られなくて残念だったのかな」と思ってしまいます。確かにそういう方もいらっしゃったのですが、帰りぎわに「また来たくなっちゃいますね」と、笑いかけてくださったお客さまもいらして。そんな時は、素直に嬉しくなりますね。救われた気持になりました。

昨日は「調査結果が活かせた」なんてタイトルでブログを書きましたが、今日は真逆。今まで調べてきたつもりが「まだまだだねぇ」と森に微笑まれたような気になって、リカバリーするつもりで一生懸命ナイトツアーをガイドして。お客さまのひとことに救われた気持で、おもわずタイトルにしてしまいました。

またぜひ、、飛交うホタルを見にいらしてください。
お見せできなかったこと、とてもとても悔んでいます。いつか必ずお見せしたいです。

さ、明日もがんばるぞ。

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