離島を照らす「天使の梯子」に導かれて
ツアーの始まりは、移動中の車内から。 雲の隙間から差し込む幾筋もの光の柱が、遠く西表島や黒島のシルエットを美しく浮かび上がらせていました。
その光景を見たお客様から「はしご!」と小さく感動の声が。 これは「天使の梯子(薄明光線)」と呼ばれる気象現象。石垣島の豊かな空が見せてくれた歓迎のサインのようでした。車を停め、皆でゆっくりとその景色を写真に収める穏やかな時間から、今夜の物語は始まりました。
ホタル鑑賞の会場である私たちの「プライベート・フォレスト」には、少し早めに到着します。 まだ何も見えない暗闇の中で、最初の一匹が光り出すその瞬間を、息を潜めて待ちます。

「わっ!」「光った?!」 期待が確信に変わる中、しばらくすると周囲のすべてが黄金色の光で満たされました。 ホタルの群れに包み込まれ、自分たちが光の一部になったかのような感覚。人混みの騒がしさも車のライトも一切ない「完全な暗闇」だからこそ、その光は言葉を失うほどの透明感を持って届きます。

ヤエヤマヒメボタルの乱舞が終わった後、足元に目を向けると別のホタルの幼虫たちが、まるで地上に降りた星空のように瞬き始めました。 さらに、連日の雨の影響で「発光菌」も強い光を放っています。ヤシの木がぼんやりと青白く光る様子は、まるで別世界の物語のよう。 湿度の高い雨上がりの森は、まさに命が輝く最高のコンディションでした。

鑑賞を終えて駐車場に戻ると、空はあいにくの曇り空。 しかし「少しでも星が見られるかも」と、ホタルの標本を手に今日一日の振り返りをお話ししていたその時です。

ふと見上げた空の雲が流れ、「わぁ!」という歓声が夜空に吸い込まれました。 そこには「冬の大六角形」がくっきりと浮かび上がっていました。 ビーチへ移動せず、この場所で待っていたからこそ出会えた、わずか数分間の奇跡。雲が再び空を覆う前に、急いで記念の一枚を撮影しました。

「りんぱなさんでよかった」——お客様と共に守る未来
帰りの車中、お客様からは本当に嬉しいお言葉をいただきました。
「幸せだった」 「りんぱなさんでよかった」 「他のツアーには参加できないね」
以前参加された公共スポットの混雑したツアーと比べ、「貸切の静かな場所でホタルを堪能できたこと」「生きものの声が間近に聞けたこと」、そして私たちの「ホタルを守る姿勢」に、深く共感してくださいました。

かつて、私たちも公共の場所でガイドをしていました。しかし、年々人が増え、賑やかになりすぎる一方で、ホタルが減っていく現実に寂しさを感じていました。 だからこそ、現在は「環境デザイン」を施した独自の貸切会場を設けています。 人が来るほどに森が整い、ホタルが増えていく。そんな持続可能な観光の形を、これからも大切に守り続けていきたいと思います。
皆様の応援に支えられ、この森の光は守られています。 またいつか、この静かな森でお会いできる日を楽しみにしています。

