石垣島にヤツガシラが飛来した
道に寝転ぶヤツガシラ
仕事からの帰り道、うちのお店の入り口で「鳥が何かやってるな」と思ったら、珍鳥のヤツガシラでした。別の撮影に行った帰りだったので、車の助手席にはいつもは滅多に使わない望遠レンズがついたNikonD90が。嬉しくて飛び跳ねたくなるのを堪えながら、車内で急いでシャッターを切りました。
このヤツガシラという鳥は、私がずっと見たい見たいと思い続けてきた鳥です。世界中で見られる鳥ではあるけれど、石垣島ではまず出会えない鳥。留鳥として石垣島に住んでいるわけではなく、渡りの途中にたまたま島に立ち寄るのです。この鳥が現れると地方紙(八重山毎日新聞)に掲載されることもあるほどで、島内の野鳥ファンに人気が高いのか、それともニュースが少ないのか…(笑。
何が嬉しいって、とても珍しい鳥がりんぱなのお店の入り口で「ゴロゴロしている」んですよ!イヌが「伏せ」をするように首を地面にすりつけたり、羽を広げたり…一体何をしているんでしょう。私の車が気になってストレスで変な行動をしているのかなと思ったけど、どうやらそうではなさそうです。
ヤツガシラの威嚇
車内で観察を続けるとヤツガシラは立ち上がってゆっくりと歩き始めました。私も車からそっと降りて、ゆっくりと歩いて近付きます。
すると、ヤツガシラは急に立ち止まって体を膨らませて頭の毛を持ち上げました。どうやら威嚇されてしまったようです。
驚かしたくないので、試しに車に戻って、車で近付いてみることにします。と…今度は大丈夫そう。車に気を取られることなく何かに夢中な様子です。。なので車から降りて車体の影から写真を撮ってみます。鳥ながら観察していると、石の隙間や土の中にしきりにクチバシをつっこんでいます。何をしているんでしょう….
ヤツガシラの採餌
しばらく見ていると、岩の隙間からクモをひっぱりだして地面に置きました。すぐにそれを咥えなおして、空中に放り投げてから「ぱくり!」…と思ったら、、クモがポトリ。当人は「あれっ?」という顔をしています。もう一度咥えなおして、空中に放りあげて「ぱくり!」…「ポトっ。ころころ」。「….」
よく見ると、クチバシは長くてキレイですが口(くちばしの付け根)がとっても小さいんですね。この写真のクモはヤツガシラの口とほぼ同じ大きさなので、中々口に入らなかったんでしょう。その後、2度失敗していましたw。この行動からヤツガシラの食べ物を推測すると、小さな土壌性昆虫を主食にしているのではないかと思いました。長くて美しいクチバシは石や土の奥に棲む土壌動物(昆虫など)を引っ張り出すために発達したのでしょうね。その後、数分おきに餌を見つけ、食べてはちょっと休憩している様子を見て思わず和みました。
この日は16時から打ち合わせで、資料を読み込まなきゃいけなくて(他のトラブル対応ーパンク修理の応援ーで既に1時間余計に使ってしまっていて)、ヤツガシラを観察している時間なんてありません。本当はもっと見ていたかったけど、泣く泣くお店に戻りました。あと何日いてくれるか解らないけれど、毎日観察を続けてみようと思います。