満天の星と静寂の海。放射冷却が生んだ、特別な出会いと星の夜

今日はどこまでも見通せるほど空が晴れ渡り、道中から「星が綺麗に見えるかな?」と、お客様の期待も高まりました。

しかし今夜の森は、ホタルたちの飛び立ちが遅く、数もまばら。せっかく日中に温まった森の熱が、雲一つない空へと逃げてしまう「放射冷却」で、急激に冷え込んでしまったことが原因と考えています。

それでも嬉しい奇跡が!なんと開始早々、1シーズンで数日しか観察できない「ヤエヤマヒメボタルのカップル(交尾の瞬間)」に遭遇しました。とても貴重な命の営みです。

道中の森では、オオコウモリが何匹も木にぶら下がっていたり、ここ数日森を賑わせていたフクロウ(※1)もカップルが成立したりと、沢山の生きものたちが春を満喫している様子。

写真: 別日に撮影したヤエヤマオオコウモリ。木の実を食べる穏やかなコウモリ

今日はホタルが控えめだった分、時間を早めてビーチへ星空観察に向かうことに。海岸林(木々のトンネル)を抜けると一気に星が見えてきて、みんな真上を見上げ….。

誰もが言葉を失うほどの絶景でした。

今夜の星々は瞬くことなく、まるで絵画のようにくっきりと夜空に輝いています。静寂の中、さざ波の音と重なり心地よいひととき。

「あ、黄道光(こうどうこう)です!」 お客様の指差す方を見ると、海から光の“もや”。なかなかみられない光の現象まで見えました!

写真の左側、街の灯りから空に立ち上る白い楕円形のモヤが黄道光。日が沈んだ位置にみられる光の現象です。

そして頭上には、海の向こうからまっすぐ伸びる冬の天の川。その満天の星空を背景に、最後はみんなで記念写真

「ずっとここにいたい」と名残惜しそうにしてくださるお客様も。レンタカーでご参加の方は、私たちが帰ったあとも砂浜に残り、星空の写真を撮り続けていらっしゃいました。

この時期に、こんなに空が晴れ渡ることなんて本当に珍しい。毎晩のようにガイドをしていますが、今日は過去一番の星空だと思います。

静かな海岸でのひとときが、参加者の方々にとって忘れられない石垣島の思い出になっていれば嬉しいです。


※1 ,リュウキュウコノハズクのメスが選んだのは、元気いっぱいな若いオスではなく、長年この場所で営巣を続けてきた穏やかな声のオス。私も、彼の穏やかな性格と渋い鳴き声(密かに「おじい」と呼んでいます)がお気に入りだったので、森の恋の結末に少しほっこりしました。ガイドログとして、求愛の情報を残しておきます。