冬の嵐はサンゴ礁を洗うけど、ホタルたちの季節を逆戻りさせてしまいます

昨日、石垣島の真上を前線(帯状の強い雨雲)が通過しました。
強い北風とともにたっぷりと降り注いだ雨。気温は一気に2℃以上も低下し、仕舞いかけていた冬物のニット思わず羽織っています。

ホタルスポットに設置した計測器がアラートを出したため、昨日は直前でホタルツアーは中止に。お客様にお電話すると「丁度支度をしていたところ」と皆さん、がっかりされていましたが、日程変更をご提案しました。

(3月9日、ホタルの森は大雨と強風でホタルが飛び交う姿も、フクロウの鳴き声もありませんでした > <)

一見、アクティビティには不向きに思えるこの「冬の嵐」ですが、実は石垣島のサンゴ礁にとっては、一年に数度しかない「再生の儀式」でもあります。

写真 : 早朝の事務所前の様子です。

陸の近くにあるリーフ(サンゴ礁)が、沿岸にそって一直線に波しぶきをあげています。普段は穏やかな海ですが、前線という強いエネルギーがサンゴ礁に当たっている瞬間です。

写真からも、どんよりとしたお天気の悪さが伝わるのではないでしょうか。沖縄といえば「青く輝く海と空」のようなイメージをもたれる方も多いのですが、このお天気こそが「再生の儀式」なのです。

写真 : 沖合から風によって流された海水がサンゴ礁に当たり、「うねり」が作られる様子

時には台風にも匹敵する、この強い波の力(うねり)で、外洋の海水が、浅瀬のサンゴ礁へと一気に流し込まれます。

サンゴ礁が年々減少している理由は多岐にわたりますが、大きな要因の一つに「浅瀬の水の汚れ(過栄養化)」があります。前線は、この汚れて濁った水を力強く押し流し、サンゴが健やかに成長できる環境へとリセットしてくれるのです。

外洋の海水は、栄養がなくクリーンです。この「栄養のない海水」こそがサンゴ礁を育てます。

サンゴは、栄養が豊富な海では生きていけません。実際に、冬がすぎてサンゴたちがぐっと成長している様子を何度も目にしてきました。

写真 : 私のお気に入りスポット。”お店の前”

前線が通り過ぎた後、ドローンで見下ろした海は澄み渡っていました。
海底の岩肌や、流れに沿って整えられた白い砂がくっきりと見通せます。

自然はすべてつながっています。
私たちにとっての「肌寒い雨の日」も、見えないところで海の命を育む大きな力になっている。その循環の中に自分たちがいることを、この澄んだ海が教えてくれます。

明日はまた少し気温が上がる予報です。
新しくなった海とともに、森のホタルたちも次の晴れ間をじっと待っています。

早く気温があがらないかなぁ


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