NEW【2026年5月22日 更新】 5月下旬から6月の見頃を掲載しました
2026年 5月下旬の状況と、6月までの見通し
りんぱなの森(専用フィールド):5月下旬まで最大ピークが継続します
現在、林内では2,000匹を超える、過去15年で最高密度の乱舞が見られています。 「2,000匹」という数は、一般的には広い山全体のあちこちに散らばっているホタルをすべて合計したような大規模な数値です。りんぱなの森では、この膨大な数がわずか100mほどの短い散歩道にぎゅっと凝縮して現れます。
そのため、広く薄く探しながら歩く他所の林道とは異なり、一歩足を踏み入れた瞬間から360度どこを見ても光の粒に囲まれる、視界のすべてが埋め尽くされるような密度を体感していただけます。
これから月末の満月に向かうため、月明かりの影響でやや数は落ち着きますが、それでも1,500匹以上は安定して見られる見込みです。その後、6月の第1週頃から徐々に減り始め、6月中旬には500匹前後まで落ち着いていくと予測しています。
一般的な公共スポット(於茂登林道・屋良部林道など)
環境特性の違いにより、これらの公道沿いではすでにホタルの数が「非常に少なくなっている」というご報告をいただいております。
当社ツアーの詳細と、一般的な公共スポットのホタルの詳細は、この先で詳しくご説明します。
本予報は、石垣島エコツアーりんぱなが15年にわたり継続しているヤエヤマヒメボタルの独自調査に基づいています。気象庁の長期予報、過去30年の統計データ、および自社で設置した林内複数地点のIoT環境センシングデータを照らし合わせ、生物学的な解析モデルを用いて算出しています。
※本ページは石垣島の個体を対象としています。西表島とは発生時期が約1ヶ月前後異なる場合があります。

2026年5月20日 りんぱなの森で撮影したヤエヤマヒメボタル
【お詫びと、ご報告】気象の変動にともなう、本ページの予測のズレ
今シーズン発表しておりました発生予報において、予測に大幅なズレが生じましたことをお詫びいたします。当初、3月下旬および4月中旬に最大の見頃を迎えると予測していましたが、実際の発生ピークは4月中旬から現在にかけて訪れています。
2025年末の段階で、気象庁をはじめとする各予測機関は「2026年は春以降の高温・少雨」を予測しており(以下の青枠で詳しく解説)、私たちもその統計モデルを支持して予測を公開しました。高温によって羽化が早まり、少雨のためにシーズンが早く終了するという予測です。
しかし実際には、春先は想定以上の低温が続き、ホタルの羽化が大幅に遅れ、その後、梅雨入りとともに10日以上も雨が続く天候となりました。この長引いた雨が林内の湿度を最適に保った結果、4月10日頃より沢山の羽化が始り、過去最も遅い特大のピークを形作ることとなりました。
現在、森の密度は過去最高の水準に達しており、目の前を埋め尽くすような光の乱舞をご覧いただける状態が続いています。
今年の気象予測の背景には、エルニーニョ現象と近年の気候変動による複雑なパワーバランスがあります。
本来、エルニーニョ現象は日本付近に冷夏をもたらす仕組みですが、同時に地球全体の空気の流れを大きく変えてしまいます。そこに、近年の温暖化や偏視風の蛇行といった気候変動の要素が干渉すると、冷夏の効果が打ち消され、一転して酷暑を招くことがあります。5月現在、これらの影響が現れており、Yahooニュースでも本日 5月22日に「スーパーエルニーニョの可能性」が報道されています。2016年、沖縄のサンゴ礁が大規模白化した際のシナリオと似ています。

5月末、現在のホタルの状況と、私たちの森と有名スポットとの違い
石垣島内の屋良部林道、於茂登林道などの公共スポットでは、すでにホタルの数が非常に少なくなっているというお話を聞いています。実際、他所のツアーでアスファルトの道路際を歩かれたお客様から「ほとんど光が見られなかった」と、伺いました。
以前の予測でも「公道沿いはゴールデンウィーク頃から収束に向かう」としていた通り、これには物理的な理由があります。公道は本来、車が安全に通るために、水はけや風通しを良くする構造になっており、乾燥しやすい環境です。そのため、いくら雨が多く降ったとしても、湿度の変化や乾燥に弱いヤエヤマヒメボタルは長生きすることができません。

2026年シーズン 当社の森でのモニタリング結果
これに対し、りんぱなの森は、発達した木々が周囲を覆い、強い風や光を遮る構造になっているため、自然の暗闇と湿度が保たれやすい環境です。さらに、ホタルが好むエリアを適切に見極め、里山の知恵を用いた手入れも継続しています。
他所ではホタルの数が大幅に減る中、りんぱなの森では最大ピークが維持されている理由は、道路や森そのものの環境が、いかにホタルに向けて設計されているかという、物理的な条件の違いにほかなりません。
現状、当社りんぱなの森は、石垣島において最もホタルの生息密度が高い状態です。
最新の気象予測と、6月にかけての見通し
気象庁が5月21日に発表した最新の長期予測によると、今後の天候は以下のように推移する見込みです。
- 5月30日〜6月5日: 沖縄・奄美地方では前線や湿った空気の影響を受けにくいため、平年に比べて曇りや雨の日が少ない(少雨・乾燥の傾向)
- 6月6日〜6月19日: 平年と同様に、曇りや雨の日が多い(梅雨らしい天候の回復)
この予測を踏まえると、水はけが良く乾燥しやすい公共の林道や公設スポット(於茂登林道や崎枝林道、野底林道など)のホタルは、5月中に大半が激減し、そのままシーズン終了に向かう可能性が高いと考えられます。
りんぱなの森においては、5月末の乾燥が予測される期間、ホタルが最も集中するエリアに限定して適切な手入れや散水を行い、幼虫や成虫が生息しやすい湿度環境を維持します。これにより、6月上旬にかけて、安定した鑑賞環境をお届けできる見通しです。
未来の予測へつなげる、りんぱなのこれからの取り組み
私たちは、この広大な森のすべてに一律に手を加えているわけではありません。ホタルが集中するエリアの環境を維持する一方で、一部の区間はあえて散水をせず、自然のままの状態を維持して観察を続けています。
加速する地球温暖化の中で、気候変動がヤエヤマヒメボタルの生態にどのような影響を与えるのかを、手を入れていない対照区間と比較しながら正確に記録するためです。
すべてのエリアに手を入れ、ホタルの生存期間を長くすれば、ツアーショップとしての継続的な収益は見込めます。しかし私たちは、ただ景色を消費するのではなく、科学の目で森を見つめ、得られたデータを未来の環境予測や保護に役立てたいと考えています。自然の力を引き出す手入れと、事実をありのままに観察すること。この両輪が、りんぱなが考えるこれからの里山のあり方です。

2026年5月17日 当社、りんぱなの森で撮影したヤエヤマヒメボタルの様子
環境が安定しているりんぱなの森で、5月下旬にホタルが減る理由とは
沖縄地方は5月2日の梅雨入り後、低温から一転して連日29℃を記録する雨の降らない夏日が続いています。湿度を保つ散水設備を持つ当社の森でも、この急激な高温はホタルの体力を消耗させる大きな要因です。

りんぱなの森の入口に設置された観測機のデータ
また、現在フィールドでは例年よりも10分ほど早く光り出す様子が観察されており、過去のデータからもこれは個体数が減少に向かう前兆です。シーズン終盤のこの時期は新たな羽化(成虫の供給)が非常に少なくなります。そのため、5月20日前後の2,200匹という特大ピークから、5月末には1,500匹、6月中旬には500匹前後へと、回復のない緩やかな右肩下がりの推移をたどることが予測されます。
一般的な観察場所で気にしたい「満月」の影響
高感度な目を備えたヤエヤマヒメボタルには「月の明かり」すら、強力なサーチライトのように映るため、月明かりのある晩は、ホタルたちが森の奥へと移動します。
5月末は満月と重なるため、於茂登林道や屋良部林道などでは、ホタルが道路脇から森の奥へと移動してしまうため、見られる数が半分以下になる場合もあります。
また、月明かりに加えもう一つ別の理由が、さらにホタルが減らしている可能性があります。それが次の理由です。
そして「もう一つの大きな原因」:深刻化する光害(ひかりがい)
満月以上に深刻なのが人工的な光です。 前勢岳や於茂登岳周辺といった公共の林道スポットでは、近年、車のヘッドライトや、スマートフォンの光が増えています。
ご注意:光害をホタルに与えないために

写真: 車のテールライト(バックライト)に照らされるヤエヤマヒメボタル。
「暗闇を守ること」は、ホタルの命を守ること。 地元ラジオやSNS等で話題になったスポットでは、悪意はなくとも、無自覚に照らされるライトによってホタルが急激に減少しています。本来なら千匹ほどが舞うはずの場所でも、ライトの影響で例年の1/5程度まで減少することもあります。
ホタルは強い光を浴びると求愛ができず、子孫を残せなくなります。 「暗闇を守ること」が、美しい光景に出会うための絶対条件です。
地元ラジオや、こうした情報を扱うSNS、ウェブサイトを運営する皆様にお願いです。このままでは本当にホタルが激減してしまいます。「行けば見られる」という情報を周知するだけでなく、最低限のマナーも併せてお伝え頂きたいです。
▶ 詳しくは : 他のスポットと何が違うの? 【徹底比較】バンナ・於茂登と当社専用の森の違いを御覧ください
ガイドの想い:なぜ「りんぱなの森」にこだわり続けるのか
私たち、りんぱなの森(専用の森、専用フィールド)は、ホタルのために様々な工夫をしています。
- ツアー中は一般車両を通行制限し、ホタルが確実に出会え、写真もきれいに撮れます。
- スマホのご利用をお控え頂くかわりに、その日のホタル写真や動画をプレゼント。SNSにもご利用可能です。
- 植物の配置や、様々な工夫をすることで、満月でもホタルの数が減ることはありません。
一言で表すならば、「ホタルが安心して恋ができる森をデザイン」することで、この美しい光景を楽しみながら、「確実に次世代へつなごう」と考えています。
▶詳しくはこちら : 「歩くことでホタルの森が守られる」ってどういうこと? お客様と一緒にホタルを守るツアーとは?
私たちの森と有名スポットとの違い
私たちは毎年、石垣島内の主要なホタル生息地において、同一条件(100m区間あたりの個体数カウント)での調査を実施しています。2022年シーズンの調査結果は以下の通りです。
【2022年の個体数】 バンナ公園(320匹) < 於茂登岳周辺(420匹) < 当社の森(1400匹)
※前勢岳林道については、100m連続してホタルが確認できる区間が消失していたため比較対象からは除外しました。
私たちが「当社の森」にこだわる理由は、単にホタルが多いからではありません。植物の配置をデザインし、外部の光を遮断することで、ホタルが安心して本来の密度で光り続けられる環境を守るためです。
データが証明する「人が入るほど、豊かになる森」
本物の自然体験とは、ただ生きものを見て、消費することではありません。混雑や車のライトからホタルを守り、自然本来の健やかな営みを静かに見守ることで、人間の五感もまた深く研ぎ澄まされていきます。
りんぱなが目指してきたのは、「人が来れば来るほど、ホタルたちの生息環境が豊かになっていくツアー」の実現です。皆様からいただいた大切なツアー料金は、すべて翌年の森の手入れや調査機材、環境を保つための設備維持へと循環しています。
私たちが皆様と一緒に守り続けてきた、専用フィールドにおけるホタルの経年変化の推移がこちらのデータです。

当社の森で観測した、1晩に飛び交うオスの最大数。
15年の歳月をかけてホタルとともに育んできたこの森を、ぜひご覧ください。
5月末から6月中旬、最高の夜をご案内します。
▼ 現在の空き状況をチェックする [ ホタルツアー予約サイト、末尾の予約カレンダーをご覧ください ]
私たちがヤエヤマヒメボタルの調査を15年以上継続している理由は、単に自社の森をより良くするためだけではありません。
この森で得られた「観光と環境保全の両立」という成功事例を一つの確かなデータセットとし、他の地域や次世代にも応用できる「自然との共生モデル」にしたいからです。
私たちが歩みを止めずにデータを積み重ねることが、この島の、そして世界のどこかに残る美しい光を守るための「知恵」となることを願います。この挑戦を確かなものにするため、私たちはこれからも調査と環境デザインを継続していきます。私たちの活動を応援していただけましたら幸いです。詳しくはこちらのページを御覧ください。
過去のホタル予測情報(アーカイブ)
以下は、本ページで公開していた過去の予測値と、実際の状況比較した検証です。この値は当社、りんぱなの森のデータであり、於茂登林道、屋良部林道、バンナ公園のような一般的なフィールドとは異なります。
○ 3月に公開した予測値
2月時点の気象統計モデル(冬の気温が平年並みで推移したデータ)に基づき、当時は以下の「2段階のピーク」および「カレンダー通りの推移」を予測していました。
3月上旬(初認予測):3月1日〜5日頃に最初の一匹が飛び始めると予想
第1ピーク予測(3月18日〜26日):暖かい低気圧の接近に伴い、最初のまとまった群舞が始まると予測。
第2ピーク予測(4月10日〜24日):今年一番の最大密度期間(狙い目)として設定。
ゴールデンウィーク(4月下旬〜5月上旬):前半は満月期(大潮)と重なるため条件は厳しくなるが、後半(5月3日以降)は雨量次第で回復すると予測。
5月〜6月予測:1月にJAMSTECから発表されたエルニーニョ現象の予兆を踏まえ、5月以降の出現数は梅雨時期の雨量に左右されると想定。
○ 予測値と照らし合わせた検証 (5月22日更新)
初認日: 3月1日 (誤差0日)
第1ピーク : 低温により第1ピークは発生しなかった。
第2ピーク : 4月10日頃よりホタルが増え始め、15日にピークを迎えた (誤差5日程度)。ピークは、本記事執筆の5月22日段階で継続中。
GW期間 : 雨の影響で急激な気温低下が複数日あり、ホタルは多くいるものの、寒くて飛べない個体が多く、見られた個体が少ない日があった(ページ上部のグラフ参照)
5~6月 : 予測の通りに推移
○ 12月時点の予報と検証 (2月21日更新)
12月時点では、ラニーニャ傾向による「寒冬・少雨」を予測し、発生の遅れと4月7日以降の集中を想定していました。
実際には、冬の気温が想定よりマイルドに推移したため、現在の「3月下旬からの第1ピーク」という上方修正に至りました。このように、私たちは日々変化する自然のデータを、一時の予測で終わらせず、常に最新の状態に更新し続けています。
