ここのとこ、ガイドツアーに物書きに、サンゴ調査に草刈りにと、まるまる1日休みの日がなく(もう夏以降ずっとそんなだ)。11月になったし、そろそろゆっくり休もうと1日休みを取ることにした。
自営業の良いところは好きな時間に仕事ができること。反面、自分で決めなければどこまでも走り続けてしまい、気づかぬうちに体も心もすり減っていることがある。
丁度パンが切れていた。起きてすぐ、シナモンロールを焼く。だが早く食べたくて予熱も終わらぬままオーブンに入れ、なんだか水気の少ないパンに。そんな休日でもいいじゃないか。もう一種、長時間発酵のパンを作りつつ本を読む。焼き上がったのがお昼過ぎ。嬉しいことに外は雨。
この山を見ながらコーヒーを飲むのが好きなんだ。気温が下がったのでホットコーヒーが飲める。こんな日のために冷凍しておいたスマトラの濃い味をゆっくりと落とし、ソーセージとパンで朝昼ごはん。
食後は犬をつれ、シトシトと雨が降る海へ。
「毛並みがきれいですね。何かケアしてあげてるんですか?」といろいろな方に聞かれるが何もしていない。気のむくままに草むらや浜を走らせ、キジや小魚を追わせている。ただそれだけだ。
でも、春と秋の生え変わりの季節だけはブラシをかけてやる。手袋の内側にゴム製のブラシがついており、体中まんべんなく撫で回されてうっとりとしている。
モカは11歳。ヒトにすると60歳を超えた年齢だが、この秋も見事に毛が生え変わった。秋風を頭皮で感じるようになった36歳の僕は、犬をなでながら毎度羨ましく思ってしまう。
あぁいい休日だった。