ツアーの始まり。会場に集まった参加者の皆様は、これから踏み込む「漆黒の森」を前に、少し緊張した面持ちです。
私たちはまず、島の野生動物をテーマにした「アイスブレイク」から始めます。ゲームを通じて緊張がほぐれ、初めて会う人同士の距離がふっと縮まる。この時間は、単なるお楽しみではありません。**自然の静寂を受け入れるための「心の準備」**として、私たちが大切にしているプロセスです。

辺りが暗くなるにつれ、夜行性の生きものたちが活動を始めます。道中では、生きものたちの不思議な生態を観察したり、クイズを楽しんだりしながら、五感を研ぎ澄ませていきます。
そして、いよいよホタルスポットへ到着。まるで私たちの到着を待っていたかのように、ヤエヤマヒメボタルたちが一斉に光り始めました。2024年3月25日のこの夜、スポットの一部ではホタルの数が前年の最大値の50%を超えるなど、例年を上回る勢いで光の物語が加速していました。

本当に星々が地上に落ちてきたかのように、無数の光が夜空を彩り、足元を埋め尽くします。その光景に言葉を失う静寂の夜もあれば、歓声が上がる夜もあります。
「まるでお星さまみたい」と感慨深げに話す親子。ホタルの舞を背に、日常の何気ない話で大笑いする学生さんたち。 日々天候が変わるように、訪れるお客様も毎日違います。お客様それぞれのスタイルで、この特別な空間を自由に、そして深く楽しんでいただけることが、ガイドとして何よりの幸せです。

ホタルを堪能した後は、星空鑑賞の時間です。最近はビーチや星空ステージで寝転んで鑑賞することもありますが、時には夜空が雲に覆われてしまうこともあります。
そんな時は、すぐにプログラムを「夜行性動物の観察」へ切り替えます。 頭上を悠々と飛ぶオオコウモリや、静かに枝にとまるフクロウ、足元を横切るカニ。雲が出たからこそ出会える命の輝きに、大人も子どもも興味津々です。 「どんな天候でも、最高の体験を預けられる」。それが、私たちが整備し続けてきたこの森の強みです。

楽しい時間はあっという間。これから4月中旬にかけて、ホタルの数はさらに増えていきます。 この島の夜は、ただの暗闇ではありません。生命の輝きと、太古から続く物語に満ちています。 一度足を踏み入れば、きっと忘れられない思い出になるはずです。
生命の輝きが紡ぎ出す物語を、ぜひ体験しに来てください。

