こんばんは。ガイドのあきらです。今夜もホタルを見に、夜の森へ行ってきました。今夜は、卒業旅行で石垣を訪れたみなさま。ホタルを見るのは初めてという方も。
強かった北風も弱まり、気温も17℃と寒すぎない丁度いい気温だったので、今日もメインのスポットへ出掛けました。ホタルを探しながらしばらく歩いていくと、地面で強い光を放つホタルがいました。メインのホタルを探すのに夢中で、地面で光るホタルは「マドボタルだろう」と特に気にしていなかったのですが、ずーっと光ってるなぁと気になって見てみると、何とイリオモテボタルのメスでした。
まるで幼虫のような姿をしていますが、これでもう大人なのです。
イリオモテボタルがこの時期に光っているのを見るのは初めてで、あの場所(st9)でも普段見ることがなくて。そんなことをお伝えすると、皆さん興味深げにホタルを見つめていました。日々そういった小さな発見が、ガイドツアーの楽しみのひとつです。
メインのホタルが光りだすのを待つ間、夜行性の生きものを探すナイトツアーをします。ほんの数m先の木の枝に野生のフクロウがとまっているのを見つけたり、わたしたちの真上の木にヤエヤマオオコウモリは飛んできて、枝に止まって真下に居る私たちのことを眺めていたり(写真:赤いライトで撮影)、と、普段探しても出会えない行きものたちが数多く姿を見せてくれました。
そうしているうちに段々と周囲が暗くなり、地面でホタルたちが光り始めました。小さな黄緑色の光が、地面のあちらこちらで輝いています。今日は気温低下に加えて乾燥もあって、ホタルの数がとても少なくて。参加者の皆さんもやはり寂しげな雰囲気でしたが、地面で光るホタルを見つけると、嬉しそうに「いたいた!」と小さな声で喜びを共有していました。
気温を見ると15℃台まで落ちていて、ホタルが飛べるギリギリのライン。ぐっと冷え込みましたね。20℃まであがれば、ぶわっっと飛び出すんだけどな。ぼくらも寒い日は縮こまって外に出たくなくなりますが、ホタルも同じなんです。
道中、道にできたワダチでカエルが水浴びをしていました。せっかくなので吸盤に触れてもらったり、鳥のようなきれいな鳴き声を聞いてもらったり。その後、山道ですれ違ったレンタカーを見ると、ワダチで水浴びをしているカエルを思いだして「カエル、だいじょうぶだったかな」と心配する声が聞こえたり。みーんな優しい。
乱舞するホタルは見られず残念でしたが、そのかわり森を沢山感じ、生きものに触れ、お客さまのことばを借りれば「都会では絶対できない体験」の夜でした。
ありがとうございました。