台風6号が過ぎ去って

GWがおわっても、毎晩のホタルツアーに加え日中も動き通しな日々が、やっと一段落。12日は久しぶりに、丸一日お休みをとろうと思っていたところ、台風が過ぎ去っていきました。

 今日は沖縄の台風対策の話と、今夏の台風6号、そして2015年に発生した台風についての話を書いていきます。
 GWのおわり頃、マリアナ諸島のあたりの低気圧が台風になりました。私たちは、台風に敏感です。なぜって、家が壊れたりするから。車は転がり、停泊した船が沈むことも。台風にはいろんな危険があります。沖縄には「台風対策」という言葉があります。言葉の通り、台風が来ても大丈夫ないように対策をするんです。

駐車場が水没してトンボが産卵に来た

 そも、沖縄の家は台風に耐えられる作りで、窓やガラス(アルミサッシ)の厚みや、プレハブの鉄骨などは本州の倍以上の厚みや太さがあります。電柱も風速70m/sに耐えられる国内最強の電柱があります(地下埋設すればいいのにと思うけど)。それでも家や倉庫は経年で壊れてるので、台風のたびに修理をすることも。(写真は、水没した駐車場に産卵しに来たトンボ)

でも、今回の台風はあまり気に掛けてずに台風の当日を迎えました。まだ梅雨入りもしていないし、来たとしてもそうは大きな台風は来ません。でも、台風対策から家に戻って台風の進路を調べると、フィリピン北部の真上で915hpaの表示が。こんなに急激に台風が巨大化するとは考えていなくて。
 畑の台風対策はできる限りのことはしてきたけれど、弱体化するとしても930hpaを超える台風が来たら、その対策も何も意味を成さない(全部飛んじゃうから)なと思いながらも早々に眠りました(暴風警報のためホタルツアーは中止)。

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 夜が明け、事務所に行くと吹き飛んだ木々の葉や枝が散乱していて、畑のことが心配に。でも昼頃まで雨が続いていたので、溜まった事務仕事やSkypeでの取材を済ませて、畑へ。

 

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 畑に行くまでの道には木々が倒れていて、まずは車が通れるようにするところから。台風が来ると毎度こんな感じです。
 (この倒れた木は、実は樹木じゃな。ヒカゲヘゴと言って1億年ほど前に地球に現れたシダ植物。生きた化石と言ってもいいかもしれない。重たくて、持ち上げることすら出来ずに、テコを使って隙間を作って土台を入れてから切る。切るのも本当に大変。めちゃくちゃ固い)
 木が倒れたり、大きな枝が落ちていたり。電話線が切れたりもしていたけれど、私にとっては日常で、それより野菜が心配。でも、野菜たちの被害はほぼゼロ。ありがたいなぁ。

台風で倒れたヒカゲヘゴが電話線を巻き込んでいる
ヒカゲヘゴをきる
防風林の扇芭蕉。植えたときは小さかったのに、気づくと背丈より大きくなっている

畑に張ったネットを剥がして畳み、傷んだ防風林を整備し…。昼後から作業をしていたのに、あっという間にあたりは暗くなってしまって、近くのホタルスポットに出掛けてから戻りました。夜はちょっとした打ち合わせへ。結局、全然体が休まれない休日。でも、まだ良い方です。以前、700本のパパイヤの苗を作って、植え時に全て台風で飛ばされてしまったことがあります。そんなもんです。

折れ曲がった葉は早目に切り取る。見た目もいい
まとめた葉は奥の草地に敷き詰めて雑草よけにする。

 何より心配だったのは、この台風の被害。日本の被害じゃないですよ。本州の台風被害は、正直気になりません。

 先日、バヌアツ共和国の大統領が訪日している時バヌアツが台風3号で壊滅状態になったことは記憶に新しいと思いますが、今年おきた台風についてネットで調べてみると、3分の2(台風6号までのうち4つ)がフィリピンに直撃しています。


Wikipedia 2015年の台風、ほかより引用

台風1号 1月9日 
 フィリピンでは被災者は約11万人、家屋の全半壊538棟、死者2名、農業などへの被害額約8,000万円。

台風2号
 統計開始以降、2月に存命した台風としては過去最大の勢力。

台風3号
 この時期に3号までの台風が発生するのは史上3位のペース。

台風4号
 バヌアツ共和国が壊滅状態。40人以上が死傷。気象庁の観測史上では3月に猛烈に発達した台風は存在していなかった。

台風5号
 4月4日に台風5号が発生したのは、1950年の統計開始以来最も早い記録。

台風6号
 5月に台風6号が発生したのは39年ぶり、5月上旬に発生するのは44年ぶり。また。10日9時にはそれまでの予想を超える915ヘクトパスカルにまでに気圧を下げ、猛烈な勢力となった。被害総額は約4000万円(2015/05/13現在)。

台風7号
 今まで台風の発生するペースが最速とされていた1971年の台風7号の発生日(5月19日)よりも10日ほど早く、過去最速のペース。

バヌアツ 自然災害緊急募金
Wikipedia 2015年の台風
デジタル台風
バヌアツ共和国が壊滅状態

 私たちヒトは、巨大な台風などの自然災害がもたらす被害と共に生きなければ成りません。海水温が上がれば台風も大型化すると言われますが、温暖化が原因だという方もいます。でも、そんな議論よりなにより、今もなお、屋根はおろか壁もない場所で(そこは普段なら土や砂の土地だけど、大雨によって田んぼのように地面がぐちゃぐちゃになっていて、そんな場所で雨にさらされながら、落ちたヤシノ実とか痛みかけの果物や野菜を食べながら)生きているヒトがいるってことを、想像することを、支援をしてほしいと思います。

 日本に来る台風は、「なんだ、テレビで言うほど凄くなんてないな。学校休みにならなくて残念だな」って程度ですよね。でも、その台風が産まれる場所は、学校そのものが 無くなっちゃう ような場所だって、知って欲しいなって思います。

バヌアツの現状(リンク) ここから、バヌアツの現状が見られます。ぜひ、みんなで支援していきましょう。→ バヌアツ 自然災害緊急募金

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