ラン屋さんの話し

「ラン屋」と言っても、花屋さんではない。
ラン等の植物を専門に追い求めて山を歩き、写真を撮ったりする人達のことを、
称してラン屋と呼ぶのです。(総称して生き物屋、なんて言うひともいます)
虫ばかりを追い求める「虫屋」なんて称される方々もおりますが、
大方この人達は採集し標本にすることを目的とする人が大半。
でも、ラン屋は採集はしない。
そも野生ラン自体数が少なく、そう簡単に増えるものでもないし、
例え採って帰って鉢植えにしたところで、それを生かすのが至難だそうです。
なので採らずに(写真を)撮るのです。
野生ラン好きの人達の殆どは「あそこの山に○○があるらしいよ」とか
「あの山で○○を見た」とか、そんな情報交換を楽むこをが生き甲斐。

なぜ人がランに惹き付けられるかというと、
その可憐で多様な花が美しいから。何より、1年に1度しか開花しないから。
それが野外だったら尚のこと惹き付けられます。

「あの山のあのラン、そろそろ開花するころだろう」と行ってみると
つぼみ。
また来週行って見ると、
つぼみ。
またまた来週行って見ると、
つぼみ….。

2週間後行って見ると、
咲き終わって枯れてる…..。

「え〜〜〜。そーんな〜(笑)」
そんなこともしょっちゅう。だから余計に惹き付けられます。
開花しているのを見つけたらそれは大喜び。大量のヤブ蚊に囲まれて、
体中を刺されたって花の前から動きません(カメラぶれたら大変だから)。

 

今年の元旦の話し。

今年の元旦(1月2日か)に、常連さんのSさんと一緒に山を登っていると
道の途中でラン屋さんと出会いました。

「おぉ!」
まさか正月早々山に来る人なんていないと「お互い」思っているから(笑)
ジャングルの中で出会うと本当にびっくりします。
(ハブやイノシシが出ても大して驚かないのだけれど)

「目当ての物はみつけられなかったけど、面白いのがありましたよ。
どこどこの木に大きなオオタニワタリがついてるの解りますか?」
「大きなっていうと、○○のとこですか?」
「そうそう。あれの葉先、二股とか三つ叉にわかれてるんです」
「オオタニワタリがですか!?」
「そうそう!獅子葉っていうんですけどね…
突然の出会いに、そんな話しで盛り上がりましたが、
帰りに見てみますねと、別れてものの数十秒。
下の方で「ガラガラっ!」と石が崩れる音が。

「大丈夫だったんでしょうか?」と、常連のSさん。
「大丈夫だと思いますよ〜。ラン屋さんは木の上ばかり見て歩くし、
三脚にカメラに装備が重たいから。たぶん転びなれてるはずです(笑)」

そんな話しをした記憶が残っているんだけど、
その方のブログを先ほど見ていると、どうやらやっぱり木の上ばかりを見ていたらしい。

私は大してランの知識も大したことなく、知ってる種名はごく僅か。
でもなぜランに惹かれたかというと、図鑑で見る野生ランの殆どが
「絶滅危惧種」に指定されていて、
「あぁ、これは早いうちに見ておかないといけないな」と思ったから。
花屋で売ってるランは高価な植物だから、野生種なんて
ブームでも来たらすぐに採られてしまうんだろうなと、思ったんです。
私はそういうの苦手なんだ。採ってっちゃったりするの。

時々「ランを見れますか?」と電話などでガイドの問いあわせがあるけど、
お断りさせていただいています。ガイド料よりランの方が大切だもん。
(だから儲かんないんだけど。いいんだ。)

 

家の裏にあるイリオモテラン(沖縄本島で培養されて、普通の花屋さんで売ってたやつ)のバルブが上がってきたのに今日気付いて、そしたら知り合いの調査屋さんから「ここにこんなランがあった!」とメールが来ているのに気付いて、そろそろテツオサキソウの季節だなぁ(あのルート上に何株もあるんだ)なんて思ったり。それで久しぶりにつらつらと綴ってしまいました。おしまい。(あきら)

 

 

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