山間に木霊する、美しい音色。桴海於茂登岳の麓、りんぱなの畑の今朝

今朝はガイドツアーはないけれど、いつものように早起きしてしまった。
外は薄曇りで、少し蒸し暑いよどんだ空気。
眠い目をこすりながら、お店を開けて風を通す。

畑を見に行くと、撒いた種達は勢いよく芽を伸ばしている。
キュウリ、ズッキーニ、ニラ、バジル、コリアンダー….。

一方で、ふと見るとニンニクは葉が枯れている。
忙しいGWの間、畑に気を回す時間は全く持ってなかった。
都会のサラリーマンよりも朝は早く、夜は遅くまでのガイド業。
時間は、あっという間に過ぎていくことを植物が教えてくれる。

いそいそとニンニクを収穫し土を天地返ししていると、
ぽつりぽつりと、日焼けした首筋に柔らかな雨粒が落ちてきた。
今日初めて見る桴海於茂登岳は、山頂部が雲にすっぽりと隠れ、
山裾では霧があわただしく動いている。

丁度いいから、ポット苗のハーブも植えてしまおう。
畑の隅にタイムやバジル、島唐辛子を植え、泥だらけのサンダルと手を
川の水で洗う。バルブを開けると冷たい水に目が覚めた。

ipodのプレイリストを適当に選びお店を掃除する。
開け放した窓から、アカショウビンの鳴き声が店内に木霊する。
思わず箒を双眼鏡に持ち替えて、お店の外に出る。

重たいまぶたを開けて、アカショウビンを探そうとしたときには、
アカショウビンは既に僕に気づいていて、飛び去るところだった。
残念。事務所側の通用口のすぐ裏の木に止まっていたんだ。

だから店内に美しい声が木霊していたんだ(録音すればよかった)
数匹のアカショウビンが、まるで求愛をしているかのように
互いに位置を知らせるように鳴きあい、飛び交っていた。

木の下をふと見ると、一匹のシジュウカラがススキの上を歩いている。
先日までは巣の材料を探しにペアで飛び回っていたが、
今日は一匹。メスのための餌を探しに来たのだろうか、
ススキの根本をゆっくりと歩きながら何かを探している。
双眼鏡をちょっとずらすと、ススキの根本に小さなセミの抜け殻があった。
「おっ。けっこーあるな」
探せば10個以上もあるではないか。
イワサキクサゼミの抜け殻が、ススキの根本にいくつもついている。
流石クサゼミと名が付くだけあって、ススキやサトウキビの根元や葉で羽化し、
その樹液を吸うそうだ。
石窯を作ろうかと勝手口の奥のススキを借り倒したけど、
そうか、クサゼミにとってはススキは大切なものだもんな。
次回は少し残しておこう。

アカショウビンの声はまだまだ山間に木霊し、僕のお店の中にも木霊する。
もしかすると、午後、梅雨の中休みのごとく晴れ渡る空を予想して
喜んでいたのかもしれない。
あるいは、単に仲間達と会話を楽しんでいたのかも知れない。

木々に囲まれ、海に囲まれた生活は、目や耳を豊かにしてくれる。
忙しい時間の中で、ほっと一息つける時間だった。

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